女子学院中学 対策
提供元:中学受験ドクター様
執筆;海田 真凛(元栄光ゼミナール難関校受験クラス担当) 【2】 女子学院中学への合格戦略の提案 筆記については意識するだけですぐに変化が見られますが、思考については資質に負うところが大きいという考え方も確かにあります。しかし、日々の家庭学習において、1問ごとに制限時間を設けて問題演習を行うという時間帯を作り、その時間帯は常にスピードを意識して考えるというトレーニングをすることにより、徐々に思考のスピードはついていきます。その際、自分が必ずわかる問題、必ず解ける問題を繰り返し取り扱うことです。この“わかる問題・解ける問題の徹底反復”が、思考のスピードアップの秘訣です。「わたし、頭良くないから」などと自らさじを投げてはいけません。地道にトレーニングを積んでもらいます。 計算については、取り組み方次第で飛躍的にスピードアップを図ることが可能です。制限時間遵守で毎日の計算練習を行うことは当然ですが、それに加えて?安易に筆算に頼らず暗算力を鍛える、②軸となる数値を覚える(例:円周率の計算、三角数、平方数)、③計算の工夫を常に意識する、ことが肝要です。ただ漫然と計算するだけでは、答えが合っていても、JG志望者として必要な計算力はつきません。 成績上位者であっても、問題を解いている姿をそばで見ていると、計算のやり方に修正すべき点を抱えている生徒が案外多いものです。正しい答えが出せているので、指摘されない限り気付かないですし、修正すべき必要性も感じていません。6年生になって計算のやり方を改めるのは、相当苦労します。JGを目指すのであれば、単に正しい答えが出せる計算方法ではだめなのです。処理速度を上げるための適切な計算方法が必要です。可能な限り早い段階で、その計算方法を指導し、身につけてもらいます。 ■ 時間配分の明確な基準 JGの時間配分と他校の時間配分の決定的な違いは、捨て問題の有無です。他校では合否に影響しないような問題は捨てるべきですが、JGではボーダーラインの高さを考えると、安易に捨て問題を作るべきではないでしょう。「捨てる」のではなく、あくまでも「一旦とばして後回しにする」のです。 算数が得意な生徒は、なまじ解き切る力があるだけに、ついつい時間をかけて解き切ってしまいます。気付くと残り時間が圧迫されていて、焦ってその後の問題でミスをするというケースが目立ちます。「多分解けるけど、ちょっと時間がかかりそう」と感じた問題を、我慢して一旦とばせるかがカギ。全ての問題に落ち着いて取り組めるようにするためには、時にはとばして後回しにする勇気を持たせることも必要なのです。 どのような問題を後回しにするか、解く順番はどうするか、1問あたりに費やす時間は最長何分か等々は、画一的なものではなく、生徒一人一人に応じて異なるもの。生徒の状態を完全に把握したうえで、最適な時間配分の基準を作り上げるようにします。生徒にそれを身体に染み込むくらいに実践してもらうことが、合格には不可欠です。 このタイプの問題を計算ミスで落としてしまう生徒というのは、端的に計算力不足が原因である生徒と、計算ミスに気付くための自分なりのポイントを把握していない生徒の2通りに分かれます。JG志望者であれば、大部分は後者のはずです。人間である以上、計算ミスそのものは完全にはなくなりません。私でも計算ミスはやらかします。ただ、計算する過程で「ん・・・、おかしい」と感じる気付きどころをたくさん持っているので、ミスに気付きやすく、修正できているだけのことです。 この“計算ミスに気付くためのポイント・気付きどころ”を、集団塾の一斉授業で教わることはまずないでしょう。私自身、集団塾でJG特訓の授業を担当していた際、各校舎から集まった普段見ていない生徒に対しそこまで指導するのは難しく、テスト演習の答案添削で必死に各生徒の癖を探っていました。やはり、個別指導を通じて、その生徒の癖を知り尽くすことにより、はじめて“気付きどころ”を伝授することができるのです。計算過程でそれを張り巡らせることができれば、計算ミスに気付くようになり、確実に失点を減らせます。 どちらも算数が得意な生徒に見られるタイプですが、JGお得意の「どの解法ツールを選択したかにより所要時間に差がつく問題」を上手く乗り切るのは、後者のタイプです。 ただ、複数の解法ツールの習得は単なる必要条件に過ぎません。その上で、設問に応じて最適な解法を選択し、常に最短距離で答えにたどり着けるようにすること。ここで頭に入れておいて欲しい内容として、JGの算数は 1.女子学院中の傾向分析 ⇒ http://www.chugakujuken.jp/joshigakuin/sansu/12.html 2.女子学院中への合格戦略の提案 ⇒ http://www.chugakujuken.jp/joshigakuin/sansu/13.html 3.女子学院中の合否を分けた一題 ⇒ http://www.chugakujuken.jp/joshigakuin/sansu/34.html 4.女子学院中の時期別学習法の提案 ⇒ http://www.chugakujuken.jp/joshigakuin/category/sansu/san_jiki 5.女子学院中の塾別学習法の提案 ⇒ http://www.chugakujuken.jp/joshigakuin/category/sansu/san_juku 6.女子学院中を目指す受験生へ ⇒ http://www.chugakujuken.jp/joshigakuin/sansu/41.html 執筆/中学受験ドクター 毛利先生(元SAPIXαクラス講師) 女子学院中学の傾向分析 1.女子学院中の傾向分析 ⇒ http://www.chugakujuken.jp/joshigakuin/kokugo/42.html 2.女子学院中への合格戦略の提案 ⇒ http://www.chugakujuken.jp/joshigakuin/kokugo/43.html 3.女子学院中の合否を分けた一題 ⇒ http://www.chugakujuken.jp/joshigakuin/kokugo/44.html 4.女子学院中の時期別学習法の提案 ⇒ http://www.chugakujuken.jp/joshigakuin/category/kokugo/koku_jiki 5.女子学院中の塾別学習法の提案 ⇒ http://www.chugakujuken.jp/joshigakuin/category/kokugo/koku_juku 6.女子学院中を目指す受験生へ ⇒ http://www.chugakujuken.jp/joshigakuin/kokugo/47.html 理科:女子学院中学への時期別学習法の提案
(2) 6年生前半 1.女子学院中の傾向分析 ⇒ http://www.chugakujuken.jp/joshigakuin/rika/48.html 2.女子学院中への合格戦略の提案 ⇒ http://www.chugakujuken.jp/joshigakuin/rika/49.html 3.女子学院中の合否を分けた一題 ⇒ http://www.chugakujuken.jp/joshigakuin/rika/50.html 4.女子学院中の時期別学習法の提案 ⇒ http://www.chugakujuken.jp/joshigakuin/category/rika/rika_jiki 5.女子学院中の塾別学習法の提案 ⇒ http://www.chugakujuken.jp/joshigakuin/category/rika/rika_juku 6.女子学院中を目指す受験生へ ⇒ http://www.chugakujuken.jp/joshigakuin/rika/53.html
例年、大問が2~4題で、総説問数が60~80問ですが、本年度も大問4題、総説問数84問でした。これを40分で解かなければならないのでかなりスピードが要求されます。 1.女子学院中の傾向分析 ⇒ http://www.chugakujuken.jp/joshigakuin/syakai/62.html 2.女子学院中への合格戦略の提案 ⇒ http://www.chugakujuken.jp/joshigakuin/syakai/63.html 3.女子学院中の合否を分けた一題 ⇒ http://www.chugakujuken.jp/joshigakuin/syakai/64.html 4.女子学院中の時期別学習法の提案 ⇒ http://www.chugakujuken.jp/joshigakuin/category/syakai/sya_jiki 5.女子学院中の塾別学習法の提案 ⇒ http://www.chugakujuken.jp/joshigakuin/category/syakai/sya_juku 6.女子学院中を目指す受験生へ ⇒ http://www.chugakujuken.jp/joshigakuin/syakai/67.html 最終更新 (2010年 10月 20日(水曜日) 19:14) 算数
【1】 女子学院中学の傾向分析
女子御三家として鎮座する女子学院中学、通称JG。
女子御三家かつ女子最難関の桜蔭中や、同じ偏差値帯で共学校の早稲田実業中と比べて、算数の問題自体の難易度は穏やかで、一見とっつきやすい印象を与えます。ところが、いざ制限時間内で過去問を解いてみると、思うようには得点できないものです。
JGのハードルの高さは一体どこに起因するのでしょうか。それは、出題傾向を見れば明白です。
(1) スピード勝負かつ高得点勝負の入試
試験時間40分、B4縦長用紙3枚に総設問数20~30問、というスタイルは不変です。単純計算で、1問あたり1分20秒~2分。答えだけでなく求め方も記入する設問がいくつかあるため、実際には1問あたりの時間はもう少し短くなります。他校の入試では1問あたり3分程度が普通ですから、いかに時間的に切迫した入試であるかが分かります。
さらに、配点・合格最低点等は非公表ですが、算数については70%~80%がボーダーと推測され、ミスの許されない高得点勝負の様相を呈しています。
(2) 実力の差が時間の差になって現れる問題
前述のように問題自体の難易度は穏やかですから、時間無制限ならJG志望者は満点、もしくは満点に近い点数がとれるでしょう。しかし、厄介なのは、「見通しは良いが正解に至るまでの処理量が多い問題」や「どの解法ツールを選択したかにより所要時間に差がつく問題」といった、実力の差がそのまま時間の差になって現れてしまう問題が散らばっているという点です。40分という時間の縛りの中では、この類いの問題に思わぬ足止めをくらって、時間が不足するケースが目立ちます。
(3) 平面図形の出題数の多さ
出題分野別に見ていくと、毎年必ず出題されるのは、①平面図形、②速さ(点の移動を含む)、③和・差・比の文章題、の3分野です。
その中でも、特筆すべきは平面図形。どこの学校の入試でも頻出ですが、JGでは出題数そのものが多く、今年度(2010年度)の入試では総設問26問中、実に11問が平面図形からの出題でした。
平面図形というと一般的には相似と比の問題が多いのですが、JGでは多岐にわたる平面図形の出題の中でも角度の問題が多いのが特徴です。どの塾でも通常授業での角度の問題演習量はそう多くはないため、何らかの形で演習量を確保する必要があります。
平面図形に限らず立体図形からの出題も女子校のわりには多く、図形全般を苦手とする受験生にとってJGは少々厳しい学校であると言えます。しかし、平面図形については“図形を見るときの視点”を叩き込むことができれば突破口が開けます。その視点については、下記の「【2】女子学院中学への合格戦略の提案(3)」で詳述します。
■ 分野別分析表 2006年度~2010年度

「【1】女子学院中学の傾向分析」で述べた出題傾向を踏まえて、これまでJG合格者と共に私自身が実践してきたそれぞれの攻略法をお伝えします。
(1) 「スピード勝負かつ高得点勝負の入試」に対する攻略法
スピード勝負かつ高得点勝負を攻略するためのキーワードは、処理速度と時間配分です。
■ 処理速度 ~ 思考・計算・筆記のスピード
頭の回転が速い、計算が速い、文字・数字を書くのが速い、というのが過去のJG合格者の特徴です。つまり、処理速度を上げるには、思考・計算・筆記の各場面でスピードを追求する必要があるということです。
入試は限られた時間内での勝負ですから、どの学校を受験するにしても、時間配分について作戦を立てるのは当然です。「【3】女子学院中学の合否を分けた一題」で後述しますが、2010年度のJG入試は時間配分が合否を分けたと言っても過言ではなく、今後も綿密な作戦を練る必要があります。
(2) 「実力の差が時間の差になって現れる問題」の攻略法
■ 「見通しは良いが正解に至るまでの処理量が多い問題」について
このタイプの問題は、円周率計算が絡む複合図形の問題や、単位換算が絡む速さの問題に多く見られます。綺麗とは言えない数値設定で煩雑な計算になるか、ひたすら計算の連続になるかのどちらかなので、いずれにしても要求されるのは“速くて正確な計算”ということになります。
問題文中に小数第3位や小数第4位での四捨五入の指示が出ていることがあるので、計算が面倒になって焦ることを見破って、落ち着くまで手をつけないという選択もありでしょう。
■ 「どの解法ツールを選択したかにより所要時間に差がつく問題」について
自分の得意な型を持っていて、ほとんどの問題をその型に持ち込んで解き切ってしまう凄腕の持ち主。
あらゆる解法に興味を持ち、1つの問題を解くにあたって様々な切り口で試そうとする軽快なフットワークの持ち主。
まずは、複数の解法ツールを身につけること。別解を排除するのは好ましくありません。答え合わせをして正解だと、解説を読まない・聞かないというのは勿体ないですね。たとえ正解していても、解説の解法と自分の解法とを比較させます。そうすることで、双方の利点が明確になり、どのような問題に対して有効な解法なのかが把握できるようになります。
①比を駆使すると短時間で処理できる問題が多い
②知識の有無によって左右される問題がある
③速さの問題のほとんどが、ダイヤグラムではなく直線上の進行図の方が馴染む
ということが挙げられます。この①~③を踏まえて、厳選した問題演習を重ねることで鍛え上げていきます。
(3) 「平面図形の出題数の多さ」に対する攻略法
よく「図形を見る目がない」「図形のセンスがない」と嘆く生徒がいますが、決してそうではありません。ほとんどの場合が、「探すべきものがわかっていないので、いくら図形を眺めても着眼点がつかめない」だけです。図形を苦手とする生徒は、“図形を見るときの視点”つまり「何を探せばよいか」を教えて叩き込むことで、これまでとは図形の見方が明らかに変わります。
まず、JGでは出題頻度の高い、角度の問題についてです。中学受験で狙われる角度は①外角の定理、②平行線の錯角、③正三角形及び二等辺三角形、の3つにほぼ集約されます。そのうち、JGでは③の出題が多いので、求角問題では図の中に潜む正三角形及び二等辺三角形を探す意識が大切です。まずはどこの塾のテキストにも載っているような典型問題で、長さの等しい辺に印をつける、大きさの等しい角に印をつけるといった基本的な作業を習慣づけます。その後、補助線を引く、図形の一部を切り離して別の部分にくっつける、といったJG頻出パターンの問題演習を続けてもらいます。
次に、相似と比の問題についてです。中学受験で狙われる平面図形と比の問題は、算数の全分野の中で最も別解が多いと言えますが、実は10個の基本図形と8種類の解法ツールでほぼカバーできます。JGでは難易度の高い問題は皆無ですから、この10個の基本図形を探す意識を持ち、8種類の解法ツールを使いこなせるよう、練習あるのみです。問題ごとに複数の解法を試しつつ、最短距離で答えに到達するにはどの解法が最適かを見極めていきましょう。
最後に、複合図形の問題についてです。前述の「見通しは良いが正解に至るまでの処理量が多い問題」で挙げた円周率計算が絡む問題以外は、補助線・等積移動・等積変形によって求めやすくなるタイプが多く見られます。そのことを常に意識して図形を見るように心掛ければ、あとはただの計算問題です。
以上の“図形を見るときの視点”を叩き込み、生徒のレベルに応じて必要な演習量をこなしてもらうことで、JGの平面図形は攻略可能になります。出題数が多いということは、そこで点数が稼げるということ。得点源にしていきましょう。 国語
概論
女子学院の国語の問題は、処理能力の速さ、正確さが求められる。
簡単にいえば、「要領のよさ」である。文章題(2000字以内)3題、設問数50問近くを40分で解くのだから、相当高いレベルが求められている。
しかし、ここで注意しなければならないのが、スピードを意識するあまり、設問を先に読む、傍線部周辺しか見ないなどの小手先のテクニックに走ったり、大量の演習量をこなすという安易な学習方法に流れやすい点である。
そもそも女子学院の国語の問題は、設問数も多く、抜き出しや記述問題も増えてきているので、設問を先に読む、傍線部周辺しか見ないというやり方だけでは対応できない。
処理能力を早くするには、思考の「パターン化」がベストである。
「ある手順に従って、機械的に解答を導き出す。」このような考え方を身につけたうえで、演習量を増やしていくことが重要なのである。
また、女子学院の国語の題材は随筆文や論説文が中心で、大人向けの文章が大半である点から、精神的な成熟度も求められているともいえる。
一つ一つの設問の難易度は決して高くないが、精神的な成熟度や処理能力の高さが求められるので、日ごろから論理性、社会性(大人の価値観)を意識した学習をしていかなければ、合格は難しいだろう。
文章の傾向について
構成は、文章三題、漢字の書き取り一題という構成である。
文章のジャンルは、随筆文や論説文が中心で、字数は各1500~2000字程度である。
よく出題されるテーマは、「自然」、「言語」、「現代社会の風潮に対する考察」、「生き方」などである。大人の価値観(社会常識)を知っている、いわゆる「早熟」な生徒を求めているのだろう。
また女子学院の国語の題材は、大人向けに書かれた文章がほとんどなので、言葉も難しいのだが、語注がない。
したがって、語彙力はもちろんのこと、わからない語句は文脈から判断して類推するしかないので、普段からこの点を意識して学習していく必要がある。
設問の傾向について
設問数は50問近くあり、難易度は標準レベルである。
設問形式は、書き抜きや適語補充、選択肢問題が80%で、残りが記述問題となる。
設問内容は、傍線部の内容を問うものや空欄補充がほとんどで、知識問題も文章題1題につき、2,3問程度出題される。
記述問題の字数はやや多くなり、20字~最大80字程度で、難易度も高くなった。
一方で、難関校によく見られる、文章全体を通して主題や要旨を問う設問は出題されないのが、特徴的だ。
上記のような傾向と受験者層のレベルから考えると、あくまで予測だが70点以上取らないと合格は厳しいと言えるだろう。
以上のことを踏まえて、次に「女子学院の対策」について述べていきたい。
女子学院中学への合格戦略の提案
まず設問数が多いうえに、合格ラインが高いため、スピードと正確さが求められるのは確かである。
しかしこのように書くと必ず対策として出てくるのが、読解のスピードを上げるための「速読法」や「設問の先読み」、「問題演習を多量にこなす」といった学習法である。
さらに入試時間40分より短く時間設定したうえで、多量の演習問題を解かせるといった学習方法も出てくる。
これらの方法は、まず本質的に間違っている。
文章内容を理解し、設問の内容に従って筋道を立てながら解答を導き出すのが「読解」であり、この原則に従った学習方法でないと、正答率は上がらない。
女子学院中の国語の攻略方法はスピードではなく、ずばり「正答率の高さ」である。これを身につけることの方が重要だ。
なぜなら、たとえ時間が足りなくて全部解き終わらなくても、正答率が高ければ高得点を取れるからだ。
ここに女子学院中の国語の攻略のカギがある。
これからその攻略方法を、文章編と設問編に分けて説明しよう。
文章編
随筆文、論説文が中心だが、2010年度は物語文が出題されたので、3ジャンルすべてに対応することが必要。ただし、この物語文も随筆と同じような読み方で対応できる。
では、まずこれらのジャンルの「読み方」を伝える。>
(随筆、論説文の読み方)>
①具体と抽象の区別ができるようにする。
(筆者の考え、心情はすべて抽象だから、この区別ができないと、そもそも線を引くことができない。)
②形式段落ごとに整理しながら読む。
(文章の情報を整理しながら読むとわかりやすくなる。)
③文章構成を意識して読む。
→論説文なら「序論、本論、結論」、随筆文なら「起承転結」
④繰り返しの言葉、文をチェックする。
⑤筆者の考え、心情、まとめの文に線を引く。
⑥⑤の理由があれば、→で⑤に結び付けていく。(因果関係を意識して読むということ。)
⑦接続語→前後の文、指示語→具体化しながら読む。
これらのことを意識しながら、読む練習をしよう。練習の素材としては、入試問題が良い。
青山学院、浦和明の星、大妻中などの入試問題がいい練習になるだろう。
やり方
文章の読み方を意識して、「読む」。(もちろん黙読。)
↓
慣れてきたら、時間を図り、何分で読めるのか確認し、少しずつ、時間設定を短くして読ませる。(2,3分ずつでもOK)
↓
一題5分くらいで読めるようにしていく。(6年の秋冬ぐらいに、これぐらいになれば充分。)
あと、大人の常識である道徳的価値観も学ばなければならない。
大人が教えること以外に、
①中学受験 必ず出てくる国語のテーマ 著者 小泉 浩明 (ダイヤモンド社)
②朝日小学生新聞
などを活用するとよい。
さらに語注がないので、語彙力も必要である。
これは、学研の「言葉力1200」や旺文社のでる順シリーズで対応していけばよい。
あと入試問題で分からない言葉があれば、積極的に辞書(中高生用)を引くことが肝要である。
設問編
まず、女子学院中の国語の問題は傍線部の意味を問うものが多いので、設問文および傍線部からキーワードを見つけ、それと似た(同じ)言葉を見つけることが重要である。
(もちろん探す前に、傍線部の前後5行くらいはしっかり読んでいてほしい。
そこに解答そのものや解答の手がかりがあるからである)
このときに、先ほど述べた読み方②、④が活きてくる。
話題に注目して読んでれば、どこにその話題があるかがすぐわかるし、繰り返しの言葉や文を チェックしておけば、さらに見つけやすい。
また、適語補充や空欄の問題は、前後の文脈を正しく読み取ることが重要。
ポイントとしては、以下の3つである。
①主語、述語関係を確認する。
②指示語、比喩を具体化する。
③接続語があれば、その働き(例えば、逆接、言い換え、順接など)を意識したうえで、前後をよく読む。
あと記述問題だが、文章の性質上、文中の言葉を使ってまとめる問題がほとんどなので、あわてずに設問条件をしっかり確認する。
そして、その設問条件を手掛かりに、解答になるところを本文中から探す。あとは
①穴埋め記述なら、文脈に合うようにまとまる。
②説明記述なら、因果関係を明確にしてまとめる。
という手順で考えていけばよい。
以上が対策である。
文章の読み方を意識しながら、設問の意図や条件を的確に読みとり、論理的な考え方で解答を導き出し、正答率を上げていく。
このような学習スタイルこそが、女子学院の国語を攻略する秘訣である。
地道にコツコツと頑張っていってほしい。
「学問に王道なし」である。 理科
2010 女子学院中学 理科 問題
難度・問題数ともに例年並みでした。女子学院中の特徴的な回答形式である「複数回答」「○×△(ABC)回答」の両方が出題され、特に大問Ⅳの実験結果から仮定の正誤を判断する問題は、苦戦した受験生も少なくないと思われます。その他、女子校では珍しい昆虫の出題や、本校ではここ10年以上出題のなかった光の問題があり、知識の穴を狙われた感があります。ヤマを張らずに偏りなく学習した生徒が有利でした。ここでは、大問Ⅴの光の問題を取り上げます。
大問Ⅴ(光)
女子学院中では、過去10年以上出題例のなかった光の問題です。
自分で簡単な作図をしながら解き進めて行く必要があり、過去問で出くわさなかったために記憶が遠くなっていた生徒には厳しかったかもしれませんが、内容的には、基本的な知識と原理さえ押さえておけば特に難しい問題ではありません。
1
屈折に関係する現象を選ぶ問題です。全て選べという指定はありませんが、複数回答が必要です。この問題で落とした人はいないでしょう。
2
(1)下の図を見て分かる通り、目と鏡の距離を10cm離すと、目と像の距離は20cm離れるので、間違いと分かります。

(2)下の図から分かる通り、鏡を目より少し上に上げると、鏡に写る範囲から顔が外れます。

(3)顔を動かすか、鏡を横に回り込ませない限り、横顔がうつるわけありません。
3
入射角=反射角ということと、鏡が入射角と反射角を分ける点線に垂直であるということが分かるように描けば良いでしょう。(下図参照)

4
鏡の左にA・B、右にC・D・E がいることから、全ての組合せを考える必要はなく、右のC・D・E だけ鏡を対称線として線対称の位置にC’・D’・E’を設定し、それぞれA・Bから直線を引いて確かめれば十分です。
下の図1より、Aから鏡を通して見える人はいません。同じく図2より、BからはCの姿だけ鏡を通して見えます。よって正しい組み合わせはBとCであることが分かります。

5
下図より、左に移動して見える事が分かります。
6
鏡を対称線として、おおよその位置に人の頭と足の位置を取って簡単な作図をすれば、難しくありません。アとイが正解です。

7
夜の電車内で、窓ガラスが鏡のようになって外の景色が見えにくい原理を穴埋めで説明する問題です。
夜は、外から入ってくる光が少なく、車内からの反射する光の方が多くなるので、鏡のように見えます。
(1) 5年生
塾での勉強では、基本的な知識と考え方を確実に積み上げて行くことさえできていれば問題ありません。
この際、ただ単に単語を暗記をするのではなく、必ず原理や関連事項とセットで理解を深めるようにしましょう。
女子校と言えども、女子学院中学のような上位校に、丸暗記した知識だけで太刀打ちできる学校はありません。
ドクターでは、思考問題を含めた標準レベルの問題を繰り返し、知識の定着だけでなく、原理の定着と関連付けを図ります。
まだ新しく学習する内容が残っている一方で、早めに全範囲の知識を固めておかなければならない時期です。
夏休みからスムーズに過去問演習に入っていくためには、7月までに基本的な知識と考え方は確実に身に付けておくべきです。
早めに総括的なテキストを利用して行きましょう。使用するテキストは四谷大塚の『四科のまとめ』や、SAPIXの『コアプラス』、シグマベスト『最高水準ノート』のポイントやチェックテストのページなどが良いでしょう。日能研の『メモリーチェック』では少し平易すぎます。40分で小問50程度のスピードについていける処理力を身に付け、複数回答問題に正しく応えられる知識力を養うためにも、早い内から繰り返し取り組むことが望ましいです。
四谷大塚の『四科のまとめ』は、毎年7月発売ですが、大きな改訂が行われているわけではないので、前年度のものを購入して取り組んでも問題ないでしょう。多少使いにくいという難点がありますが、コピーやオレンジペン&赤シートなどを利用すれば使い勝手は改善できます。
また、1回目は、正しく埋められない空欄も多く出てくると思います。
その所為で、「全然出来ない」と落ち込んだり、ストレスを感じてしまう生徒もいると思いますが、かなり細かい内容になっているので全部は正答出来ないのが当たり前、くらいに思っていて大丈夫です。2回目・3回目を通して固めて行きましょう。
ドクターの授業でも、カリキュラムを進めていくのと並行して、知識定着の確認を行います。
進度の早い生徒は、この辺りから少し高度な問題演習に入って行けるでしょう。実験問題を中心に取り組みます。
(3) 6年生夏休み
7月の通常授業までで、どこの塾でもひと通りのカリキュラムが終わります。夏休みに入ったら早めに過去問に取り組み始めましょう。
過去問を進めながら、穴が見つかった場合は、上記の『四科のまとめ』『コアプラス』などを利用して、再度基本の徹底確認をしてください。
夏休みを逃してしまうと、知識の穴の埋め直しは非常に難しくなります。“必ず”やっておく事です。
過去問は繰り返し行い、女子学院独特の設問方式(指定されない複数回答・着眼点をつかみにくい問いかけ・○×△回答等)や、頻出事項(キップの装置・天体の動き等)を早めに掴むことが重要です。
JGの過去問演習は、他校にも増して、自分の回答と正解の違いを分析することが重要になります。「こういう問いかけをされた時は、こういうことを求められているんだ」というパターンを把握することを重視して見直しをしましょう。
ドクターでは、授業中に過去問を扱います。家でやってもらうよりも、講師から見て、問題点が見つけやすいためです。
そうして、生徒ひとりひとりの足りないところを確認し、復習に反映させていきます。
(4) 6年生後半
過去問は、1周目が終わり次第、2周目、3周目に突入して下さい。
また、毎月模試がある時期ですが、テストは受けっぱなしにせず、必ず復習と解き直しをしましょう。
弱点を発見するための重要な作業です。結果が思うように行かなかったのであれば、行かなかったなりにその原因を分析して、次回に活かさなければ受けた意味がありません。
10月・11月頃には、『コアプラス』『四科のまとめ』の類は2~3周目を終えて完成させられると思います。少し難度の高い問題にも積極的に取り組んでいきましょう。難しい問題に取り組むことで、自分が本質を理解できているのか、それともパターンやテクニックに偏りがちなのかが分かることもあります。そうやって理解を一層深めて行きましょう。
とにかく、12月までに、出来ることはやり尽くしておいて下さい。年が明けてからの直前期は、1月受験をする人もいますし、緊張や不安との闘いも始まりますので、思うように勉強出来ない事が多いです。
直前はむしろ、知識確認だけ、くらいに思っておいた方が良いでしょう。その方が焦ることもなくなり、良い精神状態で本番を迎えられます。
ドクターでは、12月までは、ひたすら問題演習が続きます。この期間は、過去問の2周目・3周目は、自宅学習と授業時間を併用して進めることになります。授業では、他校の類題や、記述のブラッシュアップに注力するためです。頻出分野は、特に繰り返し確認をします。切り口が変わっても確実に正解を導ける力を付けて行きましょう。 社会
1 女子学院中学【社会】の合否を分けた一題(2010)
総評
大問の内訳は、Ⅰは公民、ⅡとⅢは歴史、Ⅳは地理の分野から出題されました。
難易度総評
A:難しい
B:やや難しい
C:標準
D:易しい
Ⅰ
あ D
い D
う D
え D
お D
問1 D
問2 C
問3 D
問4 C
問5(1)(a)C (b)D (c)D
(2)C
(3)D
(4)C
(5)D
(6)D
(7)D
問6 D
問7 D
問8 C
問9 (1)D
(2)C
問10 D
問11 C
Ⅱ
問1 D
問2 C
問3 D
問4 C
問5 B(記述問題)
問6 D
問7 D
問8 C
Ⅲ
あ D
い D
う D
え D
お C
か C
問1 D
問2 D
問3 C
問4 D
問5 D
問6 D
問7 B
問8(1)C
(2)D
(3)C
(4)D
問9 D
問10 C
問11 C
問12 C
問13 D
問14 D
問15 C
問16 D
問17 C(記述問題)
Ⅳ
問1 あ D
い C
う C
え C
問2 C
問3 (1)C
(2)C
(3)C(記述問題)
(4)C
(5)D
問4 C
問5 (1)C
(2)C
問6 D
問7 C
問8 C(記述問題)
問9 D
問10 (1)C(地図の読み取り)
(2)B(地図の読み取り)
問題
最近は石油などに代わる新しい燃料の研究も盛んに行われています。たとえば、(い)と呼ばれる、とうもろこしやさとうきびなどを原料としたアルコールの一種があげられます。世界を見ると、とうもろこしを原料としたものは(う)で、さとうきびを原料としたものは(え)で多くつくられています。しかし、これらを利用して(い)をつくることが原因の一つとなって、⑦日本をふくむ世界の広い地域で大きな問題も発生してしまいました。
Ⅳ 問8 下線⑦について、これはどのような問題ですか。
解説
Ⅳ 問8 下線部⑦の前の、(い)、(う)、(え)に入る語句がヒントになります。「とうもろこしやさとうきびなどを原料としたアルコールの一種」とありますから、(い)は、「バイオエタノール」。そのうち、とうもろこしを原料とするバイオエタノールは、(う)「アメリカ」で、また、さとうきびを原料としたバイオエタノールは、(え)「ブラジル」で多く生産されています。
とうもろこしやさとうきびを利用してバイオエタノールをつくることが原因となって、日本をふくむ世界の広い地域で発生した大きな問題とは何でしょうか。
バイオエタノール用のとうもろこしやさとうきびの生産を増やすため、食用・飼料用のとうもろこし、さとうきびの生産や、小麦や大豆の生産が減少しました。ものの価格は需要と供給で決まりますので、食用・飼料用のとうもろこしとさとうきび、及び、さとうきびからつくられる砂糖、小麦、大豆の価格は跳ね上がりました。したがって、解答例として、「食糧の価格が値上がりしたこと」などが考えられます。
食糧の国際価格高騰を説明させる記述問題でありますが、時事問題でもありました。リード文にもありますように、砂糖の原料であるさとうきびやとうもろこしからは、バイオエタノールが精製可能です。バイオエタノールは、燃やしても大気中の二酸化炭素の量を増やさないというメリットがあり、環境にやさしいエネルギーとして期待されています。しかし、その反面、エネルギー効率の悪さや本問題で問われている食糧との競合性の問題もあります。
2 女子学院中学の時期別学習法の提案
(1)5年生まで
基本的に各塾のカリキュラムにしたがって5年前半に地理、5年後半に歴史の分野を学習します。後半の歴史は暗記する量が地理より格段に増えますので、5年生の前半の早い時期に、復習中心の学習ペースを確立しましょう。
地理の学習のさいには、かたわらに地図帳をおいて常に出てきた場所を確認するようにしましょう。また、白地図に慣れるようにしましょう。地理の空間感覚が養えます。
歴史の学習では、時代の流れ(因果関係)が重要です。時代の流れをつかむには年表が便利です。年表を「読む」習慣をつけましょう。歴史の時間感覚が身に付きます。
(2)6年生前半まで
公民の分野を学習していきます。5年生までと同様に、各塾のカリキュラムに沿って学習ペースをきっちり守っていくことが大切です。政治・経済・国際・時事問題というように公民の分野はこれまでの歴史・地理より抽象度が高く、「大人の世界」の話です。日ごろから、テレビのニュースを見たり、新聞を読んだりする習慣を身につけましょう。また、学校や塾の先生やご両親などまわりの大人に学習したことを話してみるのもいいでしょう。
(3)6年後半
夏休みに地理・歴史・公民の総復習を行います。秋口からは過去問演習をはじめます。そして、模擬テストを受けていきます。
総復習には5年上下と6年上のテキストを読み返すのもいいですが、「四科のまとめ」や「メモリーチェック」のようなものが便利で効率的です。
過去問は社会の場合データが古くなってしまっている場合がありますので、5年分程度を解けば最近の出題傾向がつかめるでしょう。また、記述問題を解いたら必ず塾の先生に添削してもらうようにしてください。記述問題の書き方、部分点の取り方を身につけましょう。

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