麻布中学校 対策
提供元:中学受験ドクター様
執筆/ 中学受験ドクター 毛利先生(元SAPIXαクラス講師)
麻布中学の傾向分析 ▼『麻布中学対策』つづきはコチラから▼
1 麻布中学の出題傾向分析 ⇒ http://www.chugakujuken.jp/azabu/kokugo/24.html 執筆/ 中学受験ドクター 伊達(元CAP最上位クラス講師) 麻布中学の合否を分けた一題(2010) ▼『麻布中学対策』つづきはコチラから▼
1 麻布中学の出題傾向分析 ⇒ http://www.chugakujuken.jp/azabu/syakai/55.html 最終更新 (2010年 11月 27日(土曜日) 15:13) 国語
概論
麻布中の国語の入試問題は完成度が高く、塾関係者の評判もよい。
では、どういう点がよいのだろうか。
まず、題材選びが工夫されているという点である。
麻布の国語の入試問題は、基本的に物語文である。中学入試では、論説文や随筆文が主流になりつつある。武蔵中も物語文だったが、最近は随筆文などが多くなっている。このような傾向がある中で、物語文を題材として選び続ける姿勢に、麻布中の入試問題へのポリシーを感じる。しかも、その題材のほとんどが哲学的テーマを扱っている。
生徒に読みやすい題材をわざわざ選び、文章や設問のつながりを通して、深く考えさせる手法は、見事としか言いようがない。
昨今、他の御三家(女子も含む)や難関校が文章の難易度を上げていっているが、そのような路線とは一線を画す麻布の姿勢は、今後も続くだろう。
さらに、「つながり」を意識した設問構成になっている点も見逃せない。
桜蔭や開成、駒場東邦なども設問のつながりを意識させる構成になっているが、麻布はそれを徹底しているし、実はかなり昔から(昭和の時代)、この手法を取り入れている。(開成や桜蔭はここ最近である。)
ただ、個人的な見解を述べさせていただくなら、近年は記述問題が多くなっているので、選択肢を増やしてほしいと思う。確かに、麻布中は中学卒業時に論文を書かせるほど、徹底的に書かせる学校である。しかし記述ばかりだと、麻布の入試問題の魅力が半減してしまう。なぜなら、麻布中の入試問題の魅力は、この選択肢にあるからだ。昔の麻布の選択肢の問題は、次の設問の手がかりになるだけでなく、選択肢の文が2,3行にわたる長文で、しっかり吟味しないと間違ってしまうという、かなり高度な問題であった。
だから、それがなくなってしまうのは、やや物足りなさを感じてしまう。
まあ個人的な見解はともかく、このように工夫された入試問題なので、恐らく合格ラインも60点中36~40点くらいだろう。私の上司だった人が、理想のテストとして挙げていたのは、100点満点なら平均点が60点くらいのテストだと言っていた。つまり、難問(=解けない問題)ばかりでなく、しっかり段取りを踏んで考えれば解ける問題を、いかにそろえるかが大切だということだそうだ。麻布中の合格ラインもこれに近いことから、理想的な入試問題の一つといえるかもしれない。
では、これから麻布中の傾向を文章と設問に分けて、具体的に説明していこう。
文章の傾向について
随筆文が2題出題された年もあったが、基本的には物語文一題である。
字数は平均して6000字後半から7000字後半と、かなりの長文である。
ただ今年度は5000字程度と、字数が減少した。題材の切り方が難しかったのだろう。
(まして麻布中の国語の先生が出版した書籍が好評なので、世間からも注目され、変なプレッシャーもあったと思う。)
題材の内容は少年の成長を扱ったものが多いが、最近は多様化してきていて、女の子の自立を扱ったもの(平成20年)や、寓話(平成22年)なども出題されている。
ただ基本は、自立、自由、自分探しなど哲学的なテーマが描かれている文章を扱っている。
例えば今年度(平成22年)は、集団=社会的制約があるものと、個=自由な存在という対照的なものを比較しながら、本当の自由とは何かということを考えさせるものであった。
(この文章では、本当の自由というものは、社会にいる限り存在しない。社会にいる限りは、個人は何かしらの制約を受けるものであるということを主人公の「牛」の悲哀を通して描いているように思える。これは、政治哲学に通ずるテーマであろう。)
設問の傾向について
文章題一題構成で、漢字の書き取り問題が必ず出題される。
設問数は、12から14問程度で、80パーセント以上が記述問題である。(選択肢問題などは減少傾向にある。)
記述の字数はほとんどが30字から60字程度だが、最後に100字を超える大型の記述問題がある。この問題は主題を問うもので、麻布の国語の入試問題の代名詞ともいえる問題だ。駒場東邦中も最後に大型記述を出題するが、難易度は麻布中の方が高いだろう。
また、この30~60字程度の記述問題も侮れない。さきほど述べたように、設問がつながっているので、これらの記述の正答率が、大型記述の正答のカギを握っているし、解答に対する字数がタイトなので、余計な説明ができない。したがって入試までに、どれぐらい生徒が自分の答案を推敲してきたかが問われるのである。
設問内容は、ほとんどが心情を問うものだが、比喩表現の意味や、情景描写の意味を問うものもある。もちろん前述したとおり、最後には主題を問う記述問題が用意されている。
以上、簡単に文章と設問の傾向について述べてきたが、これからこの傾向を踏まえて具体的な対策について説明していこうと思う。
2 麻布中学への合格戦略の提案 ⇒ http://www.chugakujuken.jp/azabu/kokugo/25.html
3 麻布中学の合否を分けた一題 ⇒ http://www.chugakujuken.jp/azabu/kokugo/38.html
4 麻布中学の時期別学習法の提案 ⇒ http://www.chugakujuken.jp/azabu/category/kokugo/koku_jiki
5 麻布中学の塾別学習法の提案 ⇒ http://www.chugakujuken.jp/azabu/category/kokugo/koku_juku
6 麻布中を目指す受験生へ ⇒ http://www.chugakujuken.jp/azabu/kokugo/41.html
社会
総評
例年、非常に長い大問が1題のみで、説問数は11~13問です。制限時間は50分ありますが、リード文(導入文)が4ページ以上と非常に長く、また、記述問題も多数解かなければならないので時間配分に気をつける必要があります。
大問は、地理、歴史、公民、時事問題のユニークな総合問題です。本年は、旅行の移り変わりを題材とした総合問題でした。
難易度
A:難しい
B:やや難しい
C:標準
D 易しい
問1 穴埋問題 D
問2 記述問題 C
問3 記述問題 B (資料の読み取り)
問4 記号選択 C
問5 記号選択 D
問6 記述問題 C
問7 記述問題 B
問8 (1)穴埋め問題 A
(2)記述問題 C (資料の読み取り)
問9 記述問題 C
問10 記述問題 B
問11 記述問題 B
問12 記述問題 B
問13 記述問題 A
問題
明治時代になると、旅行をめぐる事情には大きく変化がおこります。外国から観光客がやってきて日本が見られる側に立ったのです。1869(明治2)年、地中海とインド洋をつなぐスエズ運河が開かれ、北アメリカ大陸に大陸横断鉄道が開通します。これによってヨーロッパの貴族やお金持ちの間では世界一周旅行が流行するようになります。明治維新直後の日本はこの観光コースに加えられます。オ明治政府は見られる立場を強く意識してその対策に苦心します。この当時、日本は外国人観光客を受け入れる側、見られる側にいたのです。それが20世紀に入ると、観光する側、見る側にまわる機会が生まれてきます。それは海外に植民地をもったことをきっかけにしています。
問6 下線部オについて。政府が「見られる立場」を意識した背景には、当時の日本が抱えていた問題がありました。政府は外国人からどのように見られれば、何の問題が解決できると考えましたか、説明しなさい。
解説
まず、当時の日本が抱えていた問題とは何だったのでしょうか。明治政府の最大の外交課題は、幕末に徳川幕府が結んだ不平等条約の改正にありました。そのため、鹿鳴館のような極端な欧化政策を取り、日本が欧米諸国のように近代化した文明国であることを見せて、不平等条約の改正をしようとしたのでした。
2 麻布中学への合格戦略の提案 ⇒ http://www.chugakujuken.jp/azabu/syakai/56.html
3 麻布中学の合否を分けた一題 ⇒ http://www.chugakujuken.jp/azabu/syakai/26.html
4 麻布中学の時期別学習法の提案 ⇒ http://www.chugakujuken.jp/azabu/category/syakai/sya_jiki
5 麻布中学の塾別学習法の提案 ⇒ http://www.chugakujuken.jp/azabu/category/syakai/sya_juku

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