駒場東邦中学校 対策
提供元:中学受験ドクター様
執筆/ 中学受験ドクター 三竹先生(元SAPIXαクラス講師) 1.[駒場東邦中学の傾向分析] 駒場東邦中の算数と言えば、算数という科目の壁を超え、数学に近い高度な出題が散見されることが特徴です。平成16年には難度のピークを迎えましたが、以降は安定した難易度、出題傾向が見られるので、ここでは平成17年以降の入試問題から、駒場東邦中の算数の傾向を分析し、私が実践してきた駒場東邦中の攻略法を披露してまいります。 ①駒場東邦中らしい、算数を超える出題 [1]男子最難関校でよく出題される、手を動かして調べ上げる手間の多い問題 (H19 4・H17 2・3) [2]数学の知識を算数で説明させる問題 (H18 3) [3]論理的に説明させる問題 (H224・H202・4・H183) [4]作図をさせる問題 (H214・H203・H193) これらの問題は、算数のパターン学習では全く歯が立ちません。問題文を読みこんで、自分の頭で考えて条件を整理し、手を動かすという思考力が試されています。その対策は以下の2[駒場東邦中学への合格戦略の提案] ①思考力・作業力で明らかにしてまいります。 ②考え方を記入させる出題 今までは正しい答えを出せばよいと教えられてきた中学受験の算数ですが、駒場東邦中ではむしろ、正解に至るまでのプロセスが重視されるのです。ここも数学に近いと言えるのかもしれません。たしかに普段、式や考え方を書くことに慣れていない生徒にしてみれば、なんとも不安を掻き立てる内容ではあります。ただ実は、この考え方を記入させるということは、むしろチャンスなのです。というのも学校発表の平均点と、我々プロが想定する平均点の差が、あまりに大きいのです。おわかりですね、つまり駒場東邦中学の算数では、部分点の占める割合がかなり高いと想定されるのです。 この部分点の取り方というものを、以降の2[駒場東邦中学への合格戦略の提案]③記述・表現力を磨くにはでお話ししてまいります。 ③大問4つで60分の出題 一般的な受験算数では、問題文を読み込んで反射的に答えを導けるよう訓練を進めていきます。例えば女子学院中では2分弱、慶応義塾普通部、慶応義塾中等部では1問あたり3~5分で解き進めるスピードが求められます。一方、駒場東邦中の算数は大問4つで60分という、一見すると時間的に余裕のある出題となっています。しかし一筋縄ではいかない問題ばかりで、時間配分を失敗すると、あっという間に制限時間に達してしまう恐れのある出題でもあるのです。 実は駒場東邦中の時間配分には独特のコツがあるのです。この時間配分のコツを、以下の2[駒場東邦中学への合格戦略の提案]③時間配分のコツで、お話ししてまいります。 [難易度分析表] 駒場東邦中の入試問題は綿密な対策が必須ですが、もちろん年度や問題により、得点すべき内容は変化します。ここでは、私が見てきた生徒たちの、レベルや本番での得点状況から整理した、各年度の入試問題の、おおまかな難易度を示すこととします。 A…駒場東邦中合格を目指すなら確実に得点したい問題 B…知識、解法次第で、得点に大きく差がつく問題 C…難易度、処理量から判断して、部分点を拾えればよしとする問題 平成22年 1AAA 2ABB 3AAA 4BAC 合92.0 平80.7 平成21年 1AAAA 2ABB 3AAA 4BBC 合90.1 平72.6 平成20年 1ABAA 2ABC 3ABCC 4AAC 合75.4 平63.3 平成19年 1AABB 2AB 3ACC 4ABC 合69.9 平58.5 平成18年 1AAB 2AB 3BBC 4AAB 合80.7 平69.4 平成17年 1AAB 2ABC 3BCC 4ABB 合77.6 平63.7 2.[駒場東邦中学への合格戦略の提案] 男子最難関校の一角の駒場東邦中ですから、基本的な計算力や、算数の解法知識があることは前提です。ただ、これだけでは合格点に届かないのが難しいところです。 そこで、盤石の基礎力に加えて駒場東邦中の合格に必要となる力を整理し、私がこれまで実践してきた具体的に身につけさせる方法を明らかにしていきます。 ①思考力・作業力を問われる問題の種類と、その攻略法 駒場東邦中の特徴である4つのタイプの問題に対して、私は以下のような攻略法を提案し、実際に合格実績を重ねてきました。 1.「手を動かして調べ上げる手間の多い問題」の攻略法 まず「書き出すことを厭わない」精神力が必須です。問題の条件に沿って状況を整理し、それではじめて出題の意図に気付き、式で示すことができるのは知っての通りです。もし、いくら書いても良い方法が浮かばないならば、部分点だけを狙って、そこで解き終え、次の問題に移ることも、部分点を得やすい駒場東邦中ならではの作戦と言えるでしょう。時間をかけすぎずに、合格答案を仕上げられるよう指導してまいります。 さて、駒場東邦中学のこのタイプの類題をお探しで、しかも実力が十分に備わっているならば、私は開成中・栄光中・筑波大学附属駒場中など、他の記述式男子最難関校の問題をセットとして解くことをお勧めしています。算数の実力がそこまでのレベルに到達していないならば、ラ・サール中や聖光学院中の問題を解くことを駒場東邦中対策として提案しています。他の典型問題も含めた時間配分を意識することで、より実践的な解答術を身につけさせることが狙いです。 ただ、学校名だけを鵜呑みにして上記の中学校の入試問題を解いても駒場東邦中の入試問題対策に直結するわけではありません。生徒によって習得してほしい内容は異なるのです。そこで私は、生徒に応じて、最も駒場東邦中対策に直結する学校や、その年度の設定を提案させていただいています。 なお他校の入試問題を解いていく際に注意したいこととして、ただ答えを出すことを目標としてはならないことが挙げられます。答えを出せばよいだけの問題でも、私は必ず論理的に考え方も書かせるようにしています。その論理的な考え方の書き方のコツについては、以下の「③記述・表現力を磨くには」で詳しく述べてまいります。 2.「数学の知識を算数で説明させる問題」の攻略法 効果的な対策を講じるのが難しい問題です。中学数学の内容の中で、算数にアレンジできるものを扱っていくことも考えられますが、扱うことのできる範囲が広くなりすぎて、努力が点数に結びつきにくいのが現実です。 ただ、数学的知識を問う問題とはいえ、小学生でも理解できるよう誘導が付いています。そこで私は、その誘導に沿って解き進め、確実に部分点が取れるような答案作りを指導していくことをもって対策としています。つまり論理的な答案作りを心掛けさえしていれば、基本的には特別な対策は必要のない分野であるとも言えるのです。 3.「論理的に説明させる問題」の攻略法 数学でいうところの「証明」問題です。小学生に、論理的に抜けのない完璧な答案を求める必要はありません。ただ我流に結論だけを書く答案では点数がもらえないことも事実です。過去の合格者の答案を見る限り、駒場東邦中では、理由と結論が、ある程度、論理的につながっていれば、充分に合格答案として点数を与えてくれると想定されます。 そこで私は、まず説明の「型」を確立させることから指導してまいります。理由から結論につなげていく書き方を、添削を通じて身につけさせてまいります。 4.「作図をさせる問題」の攻略法 なかなか集団塾では、定規やコンパスの使い方を教えることは難しいのが現実です。しかし実は小学校での学習が有効です。まずはコンパスの使い方に慣れることが大切です。コンパスは単純に円を描く道具ではありません、等距離を描くことができる道具なのです。コンパスを用いて正三角形、正六角形を描けるようにしておきましょう。 ただ、実は駒場東邦の作図問題は、渋谷幕張中などの作図問題と比べて易しいので、生徒によっては、特別な対策は必要ないかもしれません。私は各自の作図能力を見極め、必要に応じて補強していくことで、対策としています。 ②記述・表現力を磨くには 何度も述べている通り、駒場東邦の算数は圧倒的に部分点が取りやすい出題です。ただ一般的に言われている「式を書く」だけの答案づくりでは、正直言って高い部分点は望めません。必要なことは「式」ではなく「考え方」を明らかにすることです。「考え方」は「式」よりもむしろ、採点者に授業をするつもりで「言葉による補足」と「解答方針の図示」を多用していくことが大切です。 ただ、この答案づくりも生徒間の個人差が大きいのが事実です。私が見てきた生徒の多くは、始めは論理的に破綻した答案でも、添削と書き直しを繰り返すことで、冗長すぎる答案を経て、最終的には無駄がそぎ落とされた良質な答案を書きあげるようになりました。 したがって専門家による添削指導は必須です。私も、個々の生徒の個性を活かしながら、より高得点が望める答案を作れるよう、効果的な添削指導をしてまいります。 ③時間配分のコツ 入試問題というのは、中学校からの「こんな生徒が欲しい」というメッセージです。駒場東邦中は算数の入試問題を通して、どのようなメッセージを投げかけているのでしょうか。そして、そのメッセージに対して受験生はどのように答えればよいのでしょうか。ここでは、時間配分という観点から、高得点に結びつける方法を明らかにしてまいります。 駒場東邦中の入試問題は、60分で大問が4つという出題が続いていますが、単純に割り算すると1問あたり15分も考える時間が与えられるのです。一般的な入試問題や模擬試験では、1問に与えられる時間は3分前後なので、かなり余裕のある時間設定と言えるでしょう。もし5分で解けてしまう大問があれば、残りは1問あたり実に20分近く考えることができるのです。こんなにも考える時間が取れる学校は、駒場東邦くらいなのです。 そこで時間配分に明確な作戦を立てることは必須です。最後に少なくとも10分は見直す時間を残すとして、残りの50分をどう使うのかがポイントです。ただ計算のスピードや、分野による得手不得手は個人差が大きいので、第三者による分析、アドバイスが必要となります。残念ながら、この最適な時間配分の提案は保護者の皆様には難しいのではないでしょうか。そこで私は、生徒の特徴に応じた時間配分を立案し、実践させてきています。 ▼『駒場東邦中学対策』つづきはコチラから▼ 1.駒場東邦中の傾向分析 ⇒ http://www.chugakujuken.jp/komatou/sansu/4.html 2.駒場東邦中への合格戦略の提案 ⇒ http://www.chugakujuken.jp/komatou/sansu/5.html 3.駒場東邦中の合否を分けた一題 ⇒ http://www.chugakujuken.jp/komatou/sansu/6.html 4.駒場東邦中の時期別学習法の提案 ⇒ http://www.chugakujuken.jp/komatou/category/sansu/san_jiki 5.駒場東邦中の塾別学習法の提案 ⇒ http://www.chugakujuken.jp/komatou/category/sansu/san_juku 6.駒場東邦中を目指す受験生へ ⇒ http://www.chugakujuken.jp/komatou/sansu/9.html 執筆/ 中学受験ドクター 毛利先生(元SAPIXαクラス講師)
*平成20年度は、著作権の関係で分析できませんでした。
2.場東邦中への合格戦略の提案 ★前書きに注意!! この「解き方」の実践方法 駒場東邦中志望者は、選択肢の問題を確実に正解することが必要不可欠。 なぜなら、1問5点くらいの配点なので、記述問題で差がつかない場合、この選択肢の正答率が合否を決めることになりうるからである。
a出来事 ⇔ b心情 ↑ c今までの様子、気持ち、人物関係 など、
④上記の要素a、b、cをc→a→bの順で考えて、まとめていく。 ▼『駒場東邦中学対策』つづきはコチラから▼ 1.駒場東邦中の傾向分析 ⇒ http://www.chugakujuken.jp/komatou/kokugo/1.html 2.駒場東邦中への合格戦略の提案 ⇒ http://www.chugakujuken.jp/komatou/kokugo/3.html 3.駒場東邦中の合否を分けた一題 ⇒ http://www.chugakujuken.jp/komatou/kokugo/10.html 4.駒場東邦中の時期別学習法の提案 ⇒ http://www.chugakujuken.jp/komatou/category/kokugo/koku_jiki 5.駒場東邦中の塾別学習法の提案 ⇒ http://www.chugakujuken.jp/komatou/category/kokugo/koku_juku 6.駒場東邦中を目指す受験生へ ⇒ http://www.chugakujuken.jp/komatou/kokugo/12.html 執筆/ 中学受験ドクター 河合先生(元市進学院上位クラス講師) 1.駒場東邦中学の傾向分析 2.駒場東邦中学への合格戦略の提案 ▼『駒場東邦中学対策』つづきはコチラから▼ 1、駒場東邦中の傾向分析 ⇒ http://www.chugakujuken.jp/komatou/rika/13.html 2、駒場東邦中への合格戦略の提案 ⇒ http://www.chugakujuken.jp/komatou/rika/14.html 3、駒場東邦中の合否を分けた一題 ⇒ http://www.chugakujuken.jp/komatou/rika/15.html 4、駒場東邦中の時期別学習法の提案 ⇒ http://www.chugakujuken.jp/komatou/category/rika/rika_jiki 5、駒場東邦中の塾別学習法の提案 ⇒ http://www.chugakujuken.jp/komatou/category/rika/rika_juku 6、駒場東邦中を目指す受験生へ ⇒ http://www.chugakujuken.jp/komatou/rika/18.html 1.駒場東邦中学の傾向分析 1 駒場東邦中学の出題傾向分析 ⇒ http://www.chugakujuken.jp/komatou/syakai/19.html 2 駒場東邦中学への合格戦略の提案 ⇒ http://www.chugakujuken.jp/komatou/syakai/20.html 3 駒場東邦中学の合否を分けた一題 ⇒ http://www.chugakujuken.jp/komatou/syakai/21.html 4 駒場東邦中学の時期別学習法の提案 ⇒ http://www.chugakujuken.jp/komatou/category/syakai/sya_jiki 5 駒場東邦中学の塾別学習法の提案 ⇒ http://www.chugakujuken.jp/komatou/category/syakai/sya_juku 6 駒場東邦中を目指す受験生へ ⇒ http://www.chugakujuken.jp/komatou/syakai/24.html
最終更新 (2010年 9月 10日(金曜日) 20:58) 算数
国語
概論
駒場東邦中の入試問題の傾向は、ここ数年(5年くらい)あまり変化していない。
長文一題のみで、漢字、語句、選択肢、記述などバランスのとれた設問内容になっている。
試験時間も17年度に50分→60分と拡大し、やや取り組みやすくなった。
合格者平均点は120点満点で64、65点程度。
ただし、平成22年度は73、5点と例年より高得点であった。
これは、昨年度(平成21年度)の四谷大塚の合不合テスト及び、サピックスの内部テストでたまたま同じ題材が出題されていたことと関係がある気がする。
(ちなみに平成21年度は桜蔭中の入試問題(平成21年度)と題材が重なっていた。学校側が題材選びに苦慮している様子がうかがえる。)
駒場東邦中というと、算数が難しいというイメージがあるが、裏を返せば、算数で差がつかないため、国語で合否が決まる可能性が高いとも言えるだろう。
では、これから駒場東邦中の入試問題を具体的に分析していきたい。
文章(題材)の傾向
①文章の総字数が6000字~8000字程度の長文が出題される(400字詰めの原稿用紙15枚から20枚分)。
②受験生と同世代の子供が主人公の物語文が多く、男の子と女の子が毎年入れ替わって主人公になっている。
③友人関係や家族関係という身近な人たちとの心のつながりをテーマにした文章がよく出題される。→つまり、受験生には読みやすい文章ということになる。
④ここ2、3年「前書き」が用意されていて、本文の読解の重要なヒントになっている。
設問の形式、内容の特徴
①設問数は12~14問程度。
②主に漢字の書き取り(一問)、語句の意味を問う問題(一問)、心情を問う選択肢問題(二~四問)、心情の記述問題(四~七問)、主人公の性質を問う記述問題、心情の変化を問う120字程度の記述問題(各一問)という構成である。
③ある出来事に対して主人公側と主人公の相手側の、それぞれの視点から心情を考えさせる問題がよく出題される。
④設問のつながりを意識した問題構成になっている。例えば平成21年度では、問九の選択肢の答えがそのまま問十三のヒントになっている。
以上の傾向を踏まえ、文章のジャンルや設問の傾向を分析すると次のようになる。
では、これから駒場東邦中の入試問題の攻略方法を文章編と設問編に分けて具体的に説明する。
A.文章の攻略方法
駒場東邦中は、ここ4年ほど必ず前書きがあり、本文の読解のキーポイントになっているので、しっかり読んでから本文に入る必要がある。
具体的なチェックポイントは以下の通り。
・いつ、どこで、何があったのか。⇒今、どんな状況なのか。
・家族、友人関係はどうなっているのか。
★場面分けや心情の変化を意識する。
6000字~8000字の長文なので、一気に読むのではなく、場面分けしながら内容を整理して読んでいく方が効果的である。
また、必ず中心人物の心情の変化を問われるので、文章前半の気持ち→変化のきっかけ→変化後の気持ちを押さえながら読むことが重要である。
さらに、駒場東邦中の題材傾向として、友人関係や家族関係における心情を描いた物語が出題されやすいので、主人公の人物関係に注意しながら心情表現(動作、セリフ、表情)を押さえることがポイントになる。
具体的な攻略方法
①起(事の始まり、設定)、承、転(主人公の心情が大きく変化するきっかけとなった事件)、結(文章の結末)を意識する。(特に起、転、結は重要。)
②時間、場所の大きな変化、登場人物の変化、中心人物の心情の変化に注意しながら、①を踏まえ、場面分けをしていく。
③文章の前半の書かれてある中心人物の境遇や特徴に線を引く。
④中心人物の心情表現に線を引きながら、その理由となる部分をチェックし、→で結んで
おく。(因果関係を意識しながら読むと心情が具体的になり、分かりやすい。)
★文章読解で特に注意すべきところ
特に、駒場東邦中で出題される物語文は『セリフ』が心情表現のヒントになりやすいので、要注意!!
B.主な設問のタイプ別攻略方法
(難易度付き→易しめ=基本、中位=標準、難問=応用、超難問=発展)
★漢字、語句の問題
漢字は15問程度、難易度は標準レベル。でる順シリーズなどの市販の問題集で対応可能。
語句の意味は、主に様子を表すものが中心で標準レベル。例えば、「けげんそうな」(平成21)、「途方に暮れる」(平成19)、「ひるんで」(平成22)などが出題されていて、これらはほとんど、心情に関する動作表現である。
したがって、特に心情に関わる語句の知識をしっかりと増やしていくことが大切である。
★選択肢
基本的には、その時々の心情や動作の理由を問う問題が多い。難易度は、標準レベル。解くコツは、設問条件をしっかりチェックしたうえで、傍線部とその周辺の出来事やセリフに注目する。そして、心情の大まかな内容をとらえたうえで、選択肢をみることである。
この方法を使って、平成22年度の問十の『「親の心、子知らず。」とあるが、この「親の心」の内容としてふさわしくないものを二つ選べ。』という問題を実際に解いてみよう。
まず傍線部とその付近の父親のセリフに注目し、そのセリフから「自分(親)たちは、学歴がないばかりに経済的にも、精神的にもつらい思いをしている。→このようなつらい思いを子供にさせたくない。(楽をさせたい。)→自分たちの工場を継がずに、いい大学へ行かせてあげたい。」という親の気持ちを読み取る。
次に、この点を踏まえながら、選択肢を見て、条件に合わせてふさわしくないものを二つ選ぶと、簡単に正解を導き出すことができる。
このような段階を踏んだ解き方が、選択肢問題では効果的である。
※注意
★細部の心情記述
難易度は標準レベル。
解き方のコツは、以下の通り。
①設問文の意味、条件をチェック→その際、誰の誰に対する心情なのかを明確にしておくこと。
②傍線部の意味を確認→傍線部周辺の出来事とセリフ=心情表現をチェック。
③
※注意
「動作の理由」や「様子」も心情を聞いていることを忘れずに!!
この「解き方」の実践方法
平成21年 問5
千穂が「いちおう頬に手をやった」理由を考える問題。
この問題を使って実際に解いてみよう。まず、
①動作の理由=心情と考える。
↓
②傍線部の意味、周辺の出来事を確認
→父親が自分の部屋に近づいてきている。
→大丈夫だと分かっていたけど、一応頬に手を当てて確認した。
以上の内容が読み取れる。
③千穂が手を当てて確認したことは何かを考える。
→傍線部より前の状況を確認。(今までの様子)
→父親とエイジ(祖父)のやりとりで、千穂が祖父の家から連れ戻されることを知る。
→「泣くものか。」と泣くことを我慢している千穂の様子が描かれている。
↓
以上のことから、自分が祖父の家からいなくなることへのさみしさ、自分の意志に関係なく決まってしまったやるせなさから涙を流し泣きそうになっていることが分かる。
④③→②の手順で考えると(悲しさ、やるせなさから生じた)涙が流れていないかを確認するために、「頬に手をやった」ということになる。
★性質(格)を問う記述問題
難易度は、応用レベル。
解き方のコツは、だいたい細部の心情記述と同様で、設問条件や傍線部で、答えの方向性つまり、何を考えればよいのかをつかむ。
傍線部がある場合
傍線部付近のセリフや出来事を確認し、傍線部より前の「様子」とからめて考えていくことが大切。
文章全体から考える場合
性格自体を考えなければならない場合は、その人物のセリフ、動作などの心情表現に着目し、二面性(Aのような面もあるが、(実は)Bのような面もあるという意味)を意識しながら、性格を表す言葉でまとめていく必要がある。
もちろん、理由も必要。→その人物の具体的な動作やしぐさを理由として書く。
↓
まとめ方の例・・・
「(具体例A)ような~という面もあるが、(具体例B)ような ~という面もある~な性格。」
この「解き方」の実践方法
平成22年度の問13は、父親と息子(主人公)の共通する性格を文章全体から考えさせる問題だが、この問題を使って実際に解いてみよう。
まず設問条件をしっかり読み取って、父親と息子の共通点を探すというヒントを導き出し、父親と息子のセリフや動作を中心に考えていく。
この際、場面分けしていると、だいたいどこを探せばよいかわかるので、楽である。大概このような問題は「転」、「結」の場面にあるので、そこを中心に探す。
↓
そうすると、息子が父親の工場の仕事を手伝うと言っているのを父親が無理やりやめさせようとしているが、息子もむきになって手伝うことをやめず、お互いにもみ合っている場面がヒントになることに気付く。
↓
この場面の二人のセリフや、行動から
①自分の意見や考えを曲げない→頑固な一面
②父親や息子のことを思いやる→やさしい一面
*父親は息子のことを思って家を継がせない決意をしているので、この父親の行動も息子を思ってのことだと考えられる。詳細は選択肢の例を参考に。
③ ②を素直に表現できない→不器用な性格
となる。
*ここでは、②、③が二面性になる。
★文章全体を通して心情(の変化)を問う記述問題
難易度は応用レベル。
基本的には設問の最後のほうに位置していることからもわかるように、これまでに解いてきた設問がヒントになる。
これを踏まえたうえで、
①文章の結末(傍線部がある場合は傍線部付近)の主人公のセリフを押さえる。→変化後の心情の読み取り
②①のきっかけとなった出来事(転)を押さえる。→さらに、そこで何を感じたのかを確認する。
③②より以前の心情をセリフや今まで解いてきた設問の解答などを手掛かりに読み取る。
以上の手順で考え、③→②→①の順でまとめていく。
この「解き方」の実践方法
平成21年度 問13
千恵がエンジ(祖父)の手を強く握ったときの心情を文章全体から考える問題である。
この問題を使って実際に解いてみよう。
↓
まず傍線部11より前の、永代橋を渡る途中でエイジと過ごした日々を思い出しながら、「頭で覚えたことは忘れるかもしれないが、体で覚えたことは決して忘れないだろう。」と心の中で語る千穂のセリフを押さえる。
ここからエンジとの過ごした日々(体験)を忘れたくないと思っている千穂の心情が読み取れる。
(変化のきっかけ、感じたこと)
↓
だから、エンジの手を強く握ったということになる。・・決意の表れ(変化後の心情)
↓
次にこれより前の心情を押さえる。これは問11の選択肢がそのまま解答へ結びつく。
選択肢の内容は、『自分の気持ちを察してくれた祖父と心の結びつきを感じ、その祖父の心遣いに喜びを感じている』というものである。
以上を踏まえて、まとめると解答になる。 理科
駒場東邦中の理科は、とんでもない難問は出題されませんが、基礎的な知識をもとに自力で考えさせる見慣れない問題が多く、決して甘く見られる内容ではありません。出題分野にも偏りがなく、幅広い知識とそれを元に物事を考えられる応用力を要求されていると言えるでしょう。
図表や写真が多用されるのも特徴です。
1)安定した出題形式と傾向。
駒場東邦中の理科は、平成15年度の入試を除いて、一貫した出題形式になっています。
"四角囲み1"が全範囲の小問集合で、"四角囲み2"~"四角囲み5"は化学・物理・地学・生物の各分野からテーマごとの大問が1題ずつという内容です。
例外となった平成15年度も、"四角囲み1"の小問集合のボリュームが2倍ほどになり、物理分野の大問が出題されなかったというだけで、全体に大きな変更が加えられたというわけではありません。
また、概ね分野ごとの出題で複合問題はほとんどありません。
2)理科のテキストに書かれている内容に留まらない出題。
(1)細かすぎる知識 (H22"四角囲み2"(1)、H19"四角囲み4"(1)(2) 等)
生物分野で多く見られ、昆虫や動物・植物などの細かい見た目や生態を問われます。
問題文から正解を導き出せたり、学習した知識を活かして答えられる問題もありますが、知らないと答えられない問題も多いです。
(2)時事的な問題 (H19"四角囲み1"(4)、H19"四角囲み2"(1)、H17"四角囲み1"(4) 等)
他校で狙われるようなその年に起こった大きな出来事は、出題されていません。
少し前の事や、そんなに大きな事件ではない事の方が好んで取り上げられます。
中には理科という教科の範囲に入るのかどうか悩ましい問題もあります。
(3)原因・理由の記述 (H22"四角囲み2"(5)、H21"四角囲み3"(5)、H19"四角囲み3"(5)、H19"四角囲み4"(4) 等)
特に、近年目立っている動物の生態と環境を絡めた問題では必ず出題があり、且つそれなりの分量を書かされます。
テキストやテストで良く出てくるパターン的な問題とは違い、持っている知識と問題中の実験や図表を絡めて考える必要があり、分析力と思考力が試されます。
3)グラフなどの作図。
グラフの作図は、平成19年度の入試以降、毎年出題されています。
それ以前にも、平成12年度・13年度などに連続して出題されており、表を読み取り、グラフに書きかえるという作業が重要視されていると考えられます。
また、グラフ以外にも、光の反射や月の満ち欠けの形など、様々なタイプの作図問題が出題されています。
毎年必ず出題があると考えておいた方が良いでしょう。
4)分野別
また、分野別にみると以下のようになります。
①化学分野
計算を必要とする、溶解度や密度の問題が好んで出題されています。
しかし、計算問題の主流である、中和反応や金属を塩酸や水酸化ナトリウム水溶液に反応させる実験などはあまり出題されていません。
近年のグラフの作図は、この分野での出題がメインです。
②物理分野
化学分野と同様、計算を必要とする力学が好まれています。
但し、以前は物理分野の大問は毎年力学でしたが、近年は光や電気など他の単元と交互に出題される傾向に変わりつつあるように見えます。
年度によっては、グラフを含む作図の出題があります。
③地学分野
天体・気象・地層が交互に出題されています。
但し、順番は決まっておらず、気象が2年連続で出題されたり、地層が4年間出題されなかったりなどの偏りがあります。
気象の問題は、天気図や衛星画像を絡めての出題が目立ちます。
④生物分野
一般に生物分野は覚えたら点数を取れると思われがちですが、駒場東邦中の場合、生態と体の特徴を結び付けて考えさせるなど、観察力・分析力・思考力を試す出題がされます。一方で、かなり細かい知識を問われる問題も少なくありません。
また、「実際にどこでどういう様子を見た」という切り口で身近な生物について取り上げる傾向が続いています。
特に最近は、それに環境の問題を絡める出題が目立ち、駒場東邦中学の理科の中でも特徴的な分野と言えるかもしれません。
全体的にみて、小学生で学習する内容を超えているとは言えないものの、付け焼刃の知識や、小手先のテクニックでは太刀打ちできない内容です。
具体的な対策については、以下の3[入試問題対策]で詳らかにしていきます。
5)[分析表]
最近5年の合格者・受験者平均点と難易度

最近11年の出題分野分析




基本的な知識を、幅広く、かつそれなりの細やかさで身につけることが大前提です。
当然、普段の塾の試験や模試で好成績を収められる学力が必要ということですが、それだけでは不十分です。
では、具体的にどういった対策を立てることが可能か、実際にドクターで行っている対策も合わせて、説明していきます。
Ⅰ.出題形式と傾向の把握
出題形式と傾向が安定しているという事で対策が立てやすい半面、駒場東邦中なりの特色があるため、問題との相性が合わないとそれなりの学力を有している生徒でも手こずる事があります。早いうちに傾向を把握し、形式に慣れるに越したことはありません。
そのためには、何よりも実際に過去問を解くことが有効です。どの塾でも6年の夏期講習前にはひと通りの単元を学習し終わりますので、他塾との掛け持ちをしているドクター生にはその辺りから過去問に取り組んでもらいます。この際、個々の生徒に不足している点を見極め、夏期講習期間中にある程度カバーすることが重要です。例えば、記述や作図などが出来ていない場合にはそれらを強化する対策を講じる訳ですが、もっと見分けにくい弱点で、「図表の読み取りが出来ていない」「長文の問題を読み取る際に細部を読み落とす」等の問題がある場合も、他校の類題などを使用して演習を積み重ねていきます。
一方、掛け持ちなしのドクター生の場合、もっと早い段階から駒場東邦中を意識した学習を始めます。これは単に過去問を解くということではなく、具体的にはグラフや表の読み取り、作図、記述等を単元内容が簡単な内から繰り返すという対策を講じることができるということです。6年の夏期講習前に過去問演習に入った段階で、上記のような"形式に対する弱点"がない状態にしておくことで、夏期講習期間はより高度な問題演習に時間を費やすことが出来ます。
また、これはどこの塾に通っていても起こりうることですが、過去問演習に入った時点で授業をしてから期間の空いている単元は、基本的な知識が抜けてしまっていることが良くあります。期間が空いていない単元でも、細かい知識が抜けているという場合もあります。こういった場合は、知識問題の総ざらいが必要なわけですが、駒場東邦中の場合は少し細やかな知識まで問う問題が出題されますので、SAPIXの『コアプラス』または四谷大塚の『四科のまとめ』を使用するのが良いでしょう。『四科のまとめ』は、細かすぎて多少使いにくいという難点はありますが、基本的な知識が入っていることが前提の駒場東邦中受験生にとっては丁度良い筈です。空所が多すぎて、どこに何を入れるか分かりにくい場合は、最初に解答を見て全て埋めてしまってから、カラーシートで隠すなどすると使いやすくなるかもしれません。または、コピーを活用しましょう。尚、この知識の総ざらいに関しては家庭学習でやって頂き、授業時間はあくまで問題演習に費やします。これらの知識確認は、夏期講習期間中にひと通り、その後入試前までに2回通してやるのが基本です。
Ⅱ.テキストを超えた出題対策
出題形式と傾向を把握したあとは、それに応じた学習をしていくことが当然必要となります。殊、駒場東邦中においては、塾のテキストではカバーしきれない部分を如何にフォローしていくかが重要です。
(1)細かすぎる知識問題の対策
ある程度の知識は、上記の『四科のまとめ』でフォローできますが、それを越える出題があることもしばしばです。といっても、意味もなく重箱の隅をつつく様な問題が出されているわけではありません。推察するに、問題を解くのが上手な生徒よりも、身の回りの事に興味を持って自ら"問題"を見出すことの出来る生徒や、情報を的確に(論理的に)処理して判断できる生徒を求めているものと思われます。
例えば、22年度"四角囲み1"のスズメの頭部の模様を問う問題や、19年度"四角囲み4"のハシブトガラスの体の色を問う問題は、どちらも身近な生物をきちんと観察できているかどうか(あるいは興味を持って調べたことがあるかどうか)を問われている問題です。因みに、19年度のハシブトガラスの問題は、その名称や、他のカラスとの違いを予備知識として持っておく必要はありません。問題の文章から、普段街中で良く見るカラスがハシブトガラスであるという事が読み取れます。そうすると、いくつかトラップのような選択肢がある中でも、スタンダードに"カラス"と言われて思い浮かべる全身真っ黒のアイツである事が分かるという訳です。
また、16年度には"四角囲み2"で、アジ・イワシ・サンマという食卓に上がりやすい魚の形を問う問題が出ていました。最早理科と言うよりも家庭科、もしくは常識の問題ですが、早くから受験勉強に勤しんでいる生徒の中には、こういう問題に全く答えられない生徒が少なくありません。しかし、この類いの問題は点が取れて当たり前であり、算数でいえば計算問題、国語でいえば漢字と同じ扱いです。配点自体は大きくありませんが、落とすとライバルとの差が付くと考えて下さい。
これに対する根本的な対策は、所謂"お勉強"とは少し違うものになると考えられます。普段から身の回りの物事に注意を払う様心掛けるのが正攻法でしょう。小学校での学習もばかになりません。総合的な学習も含めてしっかり受けておいて下さい。また、図鑑を楽しんで見られる生徒は有利かもしれません。目に入る動物や植物、食卓に乗る野菜や魚について、調べてみるのも良いでしょう。要するに、駒場東邦中学が求めている生徒像に近づけば良い訳です。
とはいえ、直前期に入ってそのような悠長なことはやっていられません。ドクターでは必ず出題があると思われる"身近な生物"の分野に絞り、ある程度当たりを付けて戦略的に学習して行きます。特にここ数年は環境問題との絡みでの出題が目立つ事から、身近な生物でありながら絶滅の危機に晒されている生物や、外来種の問題などは予備知識をいれておくべき部分です。過去に出題されていない生物で言うとメダカ(絶滅危惧種)やブラックバス(外来種)などがあります。しかし、これらについて、体の特徴や生態を丸覚えする必要はありません。上記のカラスの問題と同じく、半分は問題文の読解で正解に近づけるからです。むしろ、環境や生態系の問題全体を総括的に捉えておくことの方が重要でしょう。これは実は国語の説明的文章で狙われやすいテーマでもあります。駒場東邦中の国語は物語文の長文読解のため、説明的文章の学習がおろそかになりがちですが、環境問題がテーマの文章には積極的に接していった方が良いです。
あとは、身の回りで見ることの出来る生物については、最低限姿で見分けがつくようにしておきます。
(2)時事的な問題の対策
その年に日食があったからその関連問題を出す…などと言った分かりやすい出題をしないのが駒場東邦中学です。19年度"四角囲み1"(4)で過去20年間噴火した山がない地域を選ばせたように、ある程度長いスパンでニュースを気にしていて、細かいところまで見ている人でないと自信を持っては答えられないような問題が出ます。上記の知識問題と同じく、普段の心掛けが重要で、新聞やニュース番組を良く見ることが何より良い対策となり得ます。その際、ニュース解説にも目を向けるようにしましょう。地震のニュースなら、近年の地震について総括してくれたりと、過去のニュースの振り返りが出来ることも多いです。
しかし、これも「今更そんなことやっていられない」と思われる方も多いでしょう。そうです、(1)細かすぎる知識も、(2)時事的な問題も、"勉強"ではなく、"習慣"あるいは"環境"の問題なのです。これが、駒場東邦中学の問題が「付け焼刃の知識では太刀打ち不可」という所以です。早くから駒場東邦中を意識している場合は、是非この辺りを意識して下さい。
また、知識を問う設問で知らない事が出た時は、潔く捨てて先に進む思い切りの良さも必要です。捨てた問題の分は別の所で補いましょう。そのための記述対策であり、作図対策です。
(3)記述対策
1[出題の傾向]でも述べた通り、理由・原因の記述が特徴的です。1行以下の短い記述は、駒場東邦中を受験するレベルの生徒にとっては、特に難しい内容ではありませんので、ここでは割愛します。
普通、原因・理由の記述と言うと、テキストにある程度の答えが書かれている(知識で解ける)場合が多いものです。「モンシロチョウの産卵数が多いのはなぜか?→生存率が低いから」のような例がこれに当たります。しかし、駒場東邦中学の入試問題に出題されるのは、これとは全くレベルの異なる記述問題です。
具体的には、H22「日本でスズメが減少した原因は何か?」、H21「タヌキが生息していくのに、まとまった緑地が必要な理由は何か?」、H20「写真(透明な筒の中心に立っているろうそくの火が反射で3つ見える角度から撮ったもの)で、上の像の炎ほど暗く見えるのは何故か?」などの問題です。これらは、今までの学習の中で得た知識を"単に覚えている"のではなく、"真に理解している"かどうかを試しています。且つ、それに問題文などから読み取れる事を組み合わせて考えるのです。
これは塾のテキストでは中々対策の取りにくい問題です。学校での学習を大事にすることも勿論ですが、やはり同様の問題を数多くこなしておくに越したことはありません。しかし、こういったレベルの記述問題が多く収録されている問題集は皆無と言って良い状態です。ということで真っ先に思い浮かべるのは、同傾向の記述を出題する他校の過去問を使う事でしょう。麻布・武蔵は記述傾向の強い学校の中でも、比較的駒場東邦中の記述に近い出題内容だと言えます。また、意外と見落とされがちですが、知識のみでは解きにくい問題ということで、都立小石川や都立九段の過去問も有用です。
ただしこの際、どの問題が駒場東邦中対策として有効かは本人や親御さんにはなかなか見分けにくい所です。ドクターでは、講師陣が生徒のレベルやつまづきに応じて問題をピックアップして演習をしているほか、時には自作の問題プリントを使用して対策をして行きます。特に掛け持ちなしのドクター生の場合、5年生の段階で知識で解ける単純記述から始め、段階を踏んで記述慣れをさせていきます。
Ⅲ.作図対策
これも問題の数をこなすことが最善です。記述問題よりは市販の問題集が充実していますので、シグマベストの『最高水準ノート』などを利用すると良いでしょう。
グラフの作図は、化学分野なら溶解度、物理分野なら力学が狙われやすい所ですが、グラフ全般に対する親和性を養うという意味ではひと通りやっておくことをお勧めします。その他の作図も、問題集を使ってひと通りやっておけば充分です。
ただし、作図問題(特にグラフの作図)は、ほとんどの受験生が得点していると考えるべきです。とりわけ、知識に弱点のある生徒は作図での失点は許されません。そう滅茶苦茶な難度の出題は例年ありませんが、確実に得点する力を付けておいて下さい。ドクターでは、記述対策と共に5年生の段階から対策を始めて行きます。 社会
例年大問が2~3題、総設問数20問前後出題されます。
歴史、地理、公民、時事問題が独立して出題されるのではなく、総合問題として入り乱れています。
特に、歴史の比重が大きい傾向があります。
また、大問の導入の文(リード文)が長く、歴史の史料や地図、図表・グラフなどの資料の読み取り問題が毎年出題されています。
記述問題も1行程度のものだけでなく数行にわたる本格的な設問も見られます。
制限時間は40分で、総設問数20問前後を解くわけですから比較的時間の余裕があるように思われますが、記述問題や資料を読み取る問題のように「考える力」を問う問題ですから、実は、それほど時間の余裕はあるとはいえないかもしれません。
したがって、ただ漫然と問題を解くだけでなく時間配分にも注意する必要があります。
出題形式による分類
①総合問題 リード文で誘導する形式
②資料(史料、図表・グラフなど)の読み取りのような考える問題
③記述問題(理由を説明させるものが多い)
まとめ
歴史の史料、地図、図表・グラフなどの資料を読み取らせて分析させたり、記述問題のような、いわゆる「思考力を問う問題」が最近の駒東社会の特色。
歴史、地理、公民、時事問題は総合問題として組み合わさって出題されることが多いが、特に、比較的、歴史のウェートが大きい。
分析表(経年)
過去10年間の試験形式の変遷について
平成13年度(2001)までは制限時間30分で大問4、総設問数40程度、穴埋め中心の典型的な知識の量を競い、スピード勝負の出題だった。
平成14年度(2002)に試験内容が量・質ともに大幅に変更された。制限時間30分、大問2~3題、総設問数が20問程度に半減しました。
平成17年度(2005)に制限時間が30分から40分となり、資料を読み取る問題などの考えさせる問題の比重が高まった。
以降、毎年、制限時間40分、大問2~3題、総設問数20問程度の出題形式が続いている。
ただし、本年平成22年度(2010)は、制限時間、総設問数には変更がありませんでしたが、一つのテーマ(新潟市)を題材にした大問1の形式でした。
現在の形式になった直近の6年間の入試問題分析(分野)
平成22年度
1.新潟市を題材にした地理・歴史の総合問題
地図や図表・グラフ、史料の読み取りがふんだんにあり
平成21年度
1.政治への関わり方と税の仕組みについての問題(公民と歴史の総合問題)
問3は考えさせる問題、つまり、「計算問題」
2.人とものの移動についての問題(歴史と地理の総合問題)
平成20年度
1.史料を用いた歴史の問題
2.自然環境と農業の関係を中心とした地理の問題(米作り、貿易)
平成19年度
1.外交関係を題材とした歴史の総合問題
2.日本と世界の国々との貿易、世界地図についての問題
3.日本国憲法と政治のしくみについての問題
平成18年度
1.中国・朝鮮との関係を中心とした歴史の問題
2.第二次世界大戦後の日本の経済と社会についての問題(地理と公民の総合問題)
平成17年度
1.都市の移り変わりを題材にした歴史の総合問題(一部地理あり)
2.少子高齢化と社会保障制度についての問題
2.駒場東邦中学への合格戦略の提案
①総合問題の対策について
基本的には、社会の各分野のしっかりした基礎知識があれば大丈夫です。
ただし、社会の学習で大切なことは、歴史、地理、政治、経済、時事問題等をそれぞれ独立したものと考えないで、それらを相互に関連づけて学習すること。
②資料の読み取りの問題(考えさせる問題)の対策について
資料の中に隠れている関係やことがらを基礎知識を使って見つけていくことになりますので、まず、歴史、地理、政治、経済、時事問題の基礎知識を盤石にすることが大前提です。単に丸暗記したような知識では歯が立ちません。
必要な知識とは、自由自在に使える知識のことです。
③記述問題の対策について
まず、なにをきかれているのか、設問をしっかり読むことが大切です。
その際、出題者の意図も考えられるとなおいいでしょう。
自分の知識とリード文を参考にして解答のポイントを書き出します。
あとはそれらを論理的につなぎ合わせて文章化する練習をします。
できた解答は塾の先生に添削してもらうといいでしょう。

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